モラルの低下が薬機法を厳しくする

今にはじまったことではありませんが、最近、ますます化粧品関連のインターネット広告がひどくなった気がします。薬機法のがれのために他社に依頼して口コミ風のprページを作成し、他社サイトにアップロードさせて自社サイトに誘導する手法は、本当に悪質ですね。同業者としてどこどこのブランドと申し上げるのははばかられますが、ためしてがってんで云々や、シミがペロリと剥がれ落ちたなど、モラルを疑ってしまいます。もともと薬機法はお医者様の既得権益を守るためにあると思っていましたが、ここまでひどい広告手法が常習化されている現状では、厚生労働省がさらに厳しくする方向で動いているというも仕方ないことなのかもしれません。巻き添えをこうむる側としては迷惑きわまりない話です。

 

●「美白」を標榜する医薬部外品の基礎化粧品に許される表現

 OK:シミやそばかすを「防ぐ」。或いはそれに類する表記。

 NG:シミやそばかすを「消す」。或いはそれを連想させる表記。

 

Yahooなどのポータルサイトも、もう少し広告出稿基準を厳格化しないと、自分で自分の首を絞めることになると思うのですがどうなのでしょう。そもそも沈着したシミは1週間やそこらで消えるものではありません。現在、最もシミに対して有効とされるハイドロキノンですら、超高濃度で使用してもそんなことは不可能です(基礎化粧品の試作品でピーリング成分とハイドロキノンを超高濃度(10%)配合したクリームを処方して検証してみましたが、はやりある程度の期間、継続使用しないと無理でした)。ですので、消費者の方におかれましては過度な広告にご注意されるよう情報共有させて頂きます。それに、作用の強い成分はそれだけ肌負担が大きくリスクもともないます。最も安全で確実な方法は、肌状態に合わせた保湿を行い、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を正常な状態に保ち、新陳代謝にともなって時間をかけてシミを肌の外に追い出す方法だと思います。これにマイルドなレチノール誘導体(ターンオーバーを促進する)と、素性の良いビタミンC誘導体(シミを生産するメラノサイトの働きを抑制する)を組み合わせたスキンケアが正攻法かと思います。もちろん、日中の日焼け止めは必須となります。

 

ちょっと、あまりにひどい状況に熱くなって書きなぐってしまいまいました。ご不快に思われた方にはお詫び申し上げます。